機嫌の良い職場
- 安藤里恵子
- 2021年5月30日
- 読了時間: 2分
春にイタリアンレストランで会食があった。初めてのお店だったが、評判通りパスタもピザも美味しかった。そして、ともかく気持ちの良い店だった。接客も良いが、スタッフ間のやり取りが気持ちよかった。オープンキッチンのお店なので、ホールだけでなく、厨房のスタッフとのやり取りも聞こえる。お客も多く、忙しそうなのに、自然に「ありがとう」という声が飛び交っていた。パフォーマンスではなく、それが普段の様子のようだった。割と大きなお店で、スタッフも大勢いたが、どのスタッフも同じような感じだった。楽しく仕事をしている様子が伝わってきた。
そんな事を思い出したのは、「機嫌の良い職場」について考えていたからだ。(だいぶ前に「不機嫌な職場」という新書が話題になりましたね)今回のアンケートで職場での差別、虐待についての声も多く上がっている。先日の高知市長や高知県知事との意見交換では、障害者への差別や虐待が雇用の場でも禁止されていることについて、雇用する側は知らないのではないか、という話も出た。差別や虐待がある職場というのは、きっと不機嫌な職場なのだろうと思う。職場での不満が、立場が弱い人のところに集まりやすいなら、障害を持つ人の小さな声が「機嫌の良い職場」を考える最初のヒントになるかも知れない。
『障害を持つ人を招き入れる職場を作る』という視点も大切だが、ずっとお招きしていては、いつまでも客体の立場に据え置かれてしまう。働いている障害者を『障害を持つ立場から、誰もが働きやすい職場を一緒に考えて作る仲間』と、考えてみたらどうだろうか。お互いの声を聞き、響き合わせ、新しいものを作り出せたら面白いな、と思う。
前述のイタリアンレストランは、県外のお店で、当分は行く事も出来ないが、いずれ新型コロナも落ち着いたら、また行ってみたいと思う。
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